• 2026年9月24日

痔とは?原因や種類ごとの症状、治療方法を解説

排便のときに痛みを感じたり、トイレットペーパーに血が付いたりすると、「痔かもしれない」と不安になることがあります。肛門は自分では状態を確認しにくく、人にも相談しづらい部位であるため、違和感があっても受診をためらってしまう方は少なくありません。

しかし、痔にはいくつかの種類があり、それぞれ原因や症状、治療方法が異なります。また、肛門からの出血は痔だけでなく、直腸や大腸の病気などによって起こる場合もあります。ここでは、痔の種類や原因、症状、治療方法、予防のために意識したい生活習慣について解説します。

痔とは

痔とは、肛門やその周辺に起こる病気の総称です。代表的なものには、「いぼ痔」と呼ばれる痔核、「切れ痔」と呼ばれる裂肛、「あな痔」と呼ばれる痔瘻があります。同じ痔でも、肛門周辺の組織が腫れるもの、皮膚が裂けるもの、細菌感染によって膿の通り道ができるものなど、病気の仕組みは異なります。

痔は、症状や進行度によって治療方法も変わります。軽い症状であれば、薬の使用や排便習慣の改善によって症状を抑えられることがあります。一方、痔核の脱出が進んでいる場合や裂肛を繰り返している場合、痔瘻が形成されている場合には、処置や手術が必要になることもあります。

痔ができる原因

痔の原因には、便秘や下痢、排便時の強いいきみなどが関係しています。硬い便を無理に出そうとして強くいきむと、肛門周辺の血管や組織に大きな負担がかかります。反対に、下痢や軟便を繰り返すことでも肛門周辺が刺激され、裂肛や感染につながる場合があります。

また、長時間座り続ける生活や妊娠・出産なども、肛門周辺の血流や組織に影響を与え、痔核の発症や悪化につながることがあります。痔を予防するためには、単に便秘を避けるだけではなく、便が硬すぎたり軟らかすぎたりしないよう便通全体を整えることが重要です。

いぼ痔(痔核)の症状

痔核は、肛門周辺の血管や肛門を支えている組織が腫れたり、肛門の外へ出たりする病気です。肛門の内側にできるものを内痔核、外側にできるものを外痔核と呼びます。内痔核では、排便時に鮮やかな赤色の血が出たり、肛門から痔核が飛び出したりする症状がよくみられます。進行すると、最初は排便後に自然と肛門内へ戻っていた痔核が戻りにくくなり、指で押し戻さなければならなくなることもあります。

外痔核では、肛門の外側に腫れやしこりができ、強い痛みを伴う場合があります。血栓ができて急に腫れる血栓性外痔核では、座っているだけでも痛みを感じることがあります。

切れ痔(裂肛)の症状

裂肛は、肛門の皮膚が裂けて傷ができた状態です。主な原因は硬い便の通過による刺激ですが、繰り返す下痢によって肛門周辺が刺激されることでも起こります。排便時に鋭い痛みを感じることが多く、排便後もしばらく痛みが続く場合があります。出血は比較的少なく、トイレットペーパーに鮮血が付く程度のこともあります。

裂肛を繰り返すと傷が深くなり、慢性化することがあります。炎症が長く続くと肛門周辺の組織が硬くなり、肛門が狭くなって排便しにくくなることもあるため、繰り返す場合は早めの治療が大切です。

あな痔(痔瘻)の症状

痔瘻は、肛門の内部から細菌が入り込み、肛門の中と皮膚側をつなぐトンネルのような通り道ができる病気です。その前段階として肛門周辺に膿がたまる「肛門周囲膿瘍」が起こることがあります。この状態になると肛門の周囲が腫れて強く痛んだり、発熱したりすることがあります。

たまった膿が自然に出たり、治療によって排出されたりすると痛みが軽くなることがありますが、内部に通り道が残ると痔瘻になります。痔瘻になると、皮膚の穴から膿や分泌物が繰り返し出るようになります。痔核や裂肛とは異なり、薬だけで根本的に治すことは難しく、基本的には手術による治療が必要です。

痔の検査と治療方法

痔が疑われる場合は、出血や痛みが始まった時期、便秘や下痢の有無、排便時の症状などを確認したうえで、肛門周辺や肛門内部の状態を診察します。必要に応じて肛門鏡などを使用し、痔核や裂肛の位置や程度を確認します。出血の原因として大腸の病気が疑われる場合には、大腸内視鏡検査などが行われることもあります。

痔核や裂肛では、まず便通を整えながら、軟膏や坐薬などを使って痛みや出血を和らげる治療が行われます。痔核の脱出が進んでいる場合には、硬化療法やゴム輪結紮療法、手術などを検討します。慢性化した裂肛や肛門狭窄では手術が必要になる場合があり、痔瘻についても状態に合わせて手術を行います。

痔を予防する生活習慣

痔を予防するためには、排便時に肛門へ強い負担をかけないことが大切です。便意がないのに長時間トイレに座ったり、便を出そうとして必要以上にいきんだりすると、肛門周辺に負担がかかります。便意を感じたときに排便する習慣をつけ、無理に力まないよう意識することが重要です。

食物繊維や水分を適度に摂取し、便秘や下痢を繰り返さないようにすることも大切です。また、長時間座りっぱなしにならないよう、合間に身体を動かすことも意識します。痔は一度症状が落ち着いても、同じ排便習慣が続けば再び起こる可能性があるため、治療後も日常生活を整えることが大切です。

痔と思っても自己判断せず受診を

肛門から血が出ると、痔だと思ってしまいがちです。しかし、直腸や大腸の病気でも同じような出血がみられることがあります。大腸がんなどが隠れている可能性もあるため、「以前も痔だったから今回も同じ」と自己判断せず原因を確認することが大切です。

出血が続いている、肛門の痛みや腫れが強い、痔核が外へ出たまま戻らない、膿が出る、発熱を伴うといった症状がある場合には、早めに肛門科などを受診することが大切です。症状の原因を確認し、痔の種類や進行度に合った治療を受けることが、悪化や慢性化を防ぐことにつながります。

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